脳腫瘍の手術を受けて性格が変わる…。イマイチ信憑性のない話のように聞こえますが実際にそのような事があるようです。
全員がそうなるとは限らないですが、性格が微妙に変化する方もごく稀にいるようで。
私はどうなったかと言いますと…
- 手術前:几帳面で真面目タイプ
- 手術後:テキトーなズボラタイプ
に変化しました。ただ入院生活が染み付いて、怠け癖が付いただけな気もします。が、調べてみると高次脳機能障害という見慣れない病名を発見。そして何やら該当します!
そう言えば入院中のチェックリストの項目で、この字面は見覚えがあります。一体、私はどんな障害っぽいのでしょうか?そしてコレって病気?
高次脳機能障害の症状とは?脳腫瘍との関連性って?
高次脳機能障害…そもそも難しい字が並んでサッパリわからない。調べてみると人間の脳の中で複雑なメカニズムを司る役目をしているそうです。
- 記憶する
- 考える
- 学習する
- 計算ができない
- 感情をコントロールする
- 判断して行動する
- 注意力
などなど…。人の性格を左右する大事な機能ですね。
高次脳機能障害は事故や病気(脳卒中や脳梗塞)により脳が損傷して記憶障害・注意障害・失語症などの症状が出る病気です。
脳腫瘍の摘出手術後にも高次脳機能障害が出る症状があるようです。が、本人や家族も認識できないまま見過ごしている場合が多いそうです。
参照元 脳腫瘍にともなう高次脳機能障害
参照元 はしもとクリニック経堂
一見、手術を施して脳は回復したように見えます。ですが日常生活に戻った時に『ちょっとした違和感』を本人や周囲の方が感じる時があるかも知れません。
え…こんな性格の人だったっけ?
そんな違和感の積み重ねがあったら、少し考えてみてください。
女性の場合は更年期障害の年齢に差し掛かると、似たような症状も重なるので難しいです。イライラや倦怠感も出ますから判断するのはお医者さんに委ねましょう。
ちなみに私は以前、医師に高次脳機能障害に該当するのか聞いた事があります。が、服用している脳腫瘍の薬の副作用で記憶障害などが出ている可能性があると言われました。
▼現在飲んでいるお薬の記事はコチラです。
薬との因果関係なども含めると更に複雑になりますね。そもそもの原因が分からないと、どこでどう判断して良いのか迷ってしまいます。
高次脳機能障害の症状と脳腫瘍を摘出した私の症状を比べてみた
高次脳機能障害の症状を掲載しているサイトがあったので自分の症状と見比べてみました。全く症状がない場合を【0】として最高を【10】段階として表記します。
- 記憶障害(6):新しいことが覚えられない
- 注意障害(4):気が散りやすい、集中できない
- 遂行機能障害(3):手際よく作業ができない
- 行動と感情の障害(0):怒りやすい、幼稚、引きこもり、意欲がわかない
- 失語症(3):言葉が話せない、理解できない
- 失認症(0):見えているのに認識できない
- 失行症(4):一連の動作の手順がわからない
- 地誌的障害(0):よく知ってる場所でも道に迷う、いる場所がわからない
- 半測空間無視(0):片側の空間を認識できない
- 半測身体失認(0):麻痺側を認識できない
参照元 東京都福祉保健局より
…所どころで該当してる。【記憶障害】は間違い無く当てはまっている気がします。そしてコレだけ数値にメリハリがあるのも気になります。
高次脳機能障害っぽい症状で日常生活を送っています。
実際に私は高次脳機能障害なのか…?医療機関で診断もしていませんし自覚も曖昧なままですが『それっぽい』という感覚で生活しています。
確か脳腫瘍で入院した際はその該当欄に◯は多数あったけど、退院時のチェック欄は【要観察】だったような気がします。
では症状に該当したもので、1つずつ私がどんな風に日常生活を過ごしているかご案内します。
脳腫瘍で高次脳機能障害【記憶障害】に近い症状と日常
【記憶障害】は新しい記憶が残せない状態です。脳腫瘍の症状がジワジワと出てくるまで記憶はしっかりありました。なぜか今は昔の記憶ほど鮮明に憶えています。
そして病気前後の記憶は曖昧。更に段々と腫瘍のせいでぼんやりする日が続いたり、手術後に入院生活を経て退院すると
新しいことが覚えられない!
「なんでだろう?怠けてたから?ちょっとリハビリすれば元に戻るのかな」…なんて考えて2年経ちますが…
今も新しいことが覚えられない!
あとで家事をやることも頭の中からスポーンと抜け落ちますし、買物もメモらないと何を買うのか店内をウロウロする羽目に。
全て覚えられない訳では無いのですが容量が極めて小さくなりました。あと、私の場合とても印象に残らない限り【新しい記憶】として学習できないようです。
例えば◯◯へ出掛けた。◯◯さんに会った。などの特別なイベントなら覚えてますが、平凡な日常は忘れがちです。なので対策としては
- メモに書く。
- スケジュールをカレンダー等に書く。
- スマホのアプリやアラーム機能を利用する。
- 写真や動画に残す。
- 日記を書く。
…と箇条書きで並べていますが、私が実践しているのは1〜4のみです。日記は書いていません。写真や動画は見るだけで思い出せますからね。かなりオススメです。
脳腫瘍で高次脳機能障害【失語症】に近い症状と日常
【失語症】は言葉がうまく話せなかったり、理解できない状態です。私の場合は突如詰まるような時がたまに起きます。話そうとすると喉の奥に言葉が詰まって出なくなる感じです。
詰まると同時に話そうとする内容もパーッと頭から消えます。「あれ?何を言おうとしたっけ?」というマヌケ面で夫の顔を見てる時があります。
あとは話の組立てが下手になりました。うまく話そうと意識すると余計に下手になります。なぜか私の場合はカタコトになります(苦笑)
相手の話が理解できないのは非常に辛いです…。自分としては大事な話だからしっかりと聞く気持ちはあるのに、勝手に聞き流れてしまうような状態です。
全然分からなかったし話の内容も覚えてない…。
前述の【記憶障害】も含んでお手上げ状態です。
私は言葉よりも文章の理解が難しいです。ややこしい解説文や取扱説明書、行政の手続などは本当にどう書いたらイイのか分からず悩むばかりです。
脳腫瘍で高次脳機能障害【注意障害・遂行機能障害・失行症】に近い症状と日常
【注意障害】は気が散って集中できない状態です。脳腫瘍になる前はテレビを見ながら話しかけられても平気だったのに、それが話しかけられるとイライラする始末で。
以前はテレビを見ながらの会話なんて容易いもんでした。相手との会話もテレビの声も聞き分けられました。でも今はそれがとても困難です…。どっちかに集中しないとダメ。
テレビを見ながら会話する流れ →→→ 同時進行する行動にストレスが溜まる
私の場合【遂行機能障害】(手際よく作業ができない)に繋がっています。そりゃあ、集中できなきゃ手際だって悪くなりますよね。
これに付随して【失行症】(一連の動作の手順がわからない)も関連している気がしてます。遂行機能障害とほぼ同じ意味なように感じるのですが…違うのかな?
手際よくっていうより、一連の動作もあたふたした状況で常にてんてこ舞い。心配されて「大丈夫?」などと声を掛けられてると、更に気が散って頭が混乱。
そしてチェック項目にはありませんが、計算がすこぶる苦手になりました。元から理数系は苦手でしたが更にできなくなりました。
こんな状況で働きに出てもうまく行かないワケですよ。
この時期から「高次脳機能障害なのかな〜」とモヤモヤしていました。そして
社会復帰を諦めました。
かなり極端な選択ですけどね。専業主婦だから可能なんでしょうし、私は独りで黙々と作業している方がストレスが無いからです。自分でできる範囲の事をしています。
その分、夫の収入だけなので貧しいですが障害によるストレスなどを受けずに済んでいます。気楽と言えばそれまでなのですが。
▼私は一度『てんかん』を起こしています。原因はストレスや不眠らしいです。
ならば、その原因を除去するのが得策だと考えました。
無理に社会に馴染む必要もないや。自分のペースで頑張ろう。
そういう考えから手術後『テキトーでズボラなタイプ』になってしまいました。治療やリハビリすればある程度改善するかも知れません。
もしもご自身やご家族に思い当たる場合は、掛かりつけの病院にご相談してみてはいかがでしょうか?一概に【高次脳機能障害】と言い切れない点もございますので、ご参考までになさってください。