脳腫瘍と診断された時に病院選びは重要になります。私はMRI検査をする為に町で一番大きな総合病院へ行きました。
が、あまり良い印象を受けなかったので「ココで治療するのは嫌だな…」と感じました。待合室は常に過密状態で患者さんはイライラしてますし、病院のスタッフも医師も「ウチはココらで一番の医療機関だから」と天狗になっているのが明らかでした。
私は入院する時にこの病院を選びませんでした。
MRIの画像と診断書だけを貰ってすぐに違う病院に向かいました。診断書をお願いしても書き渋るような病院でした…。
医療は信頼関係が大事だと私は考えています。そんな私が脳腫瘍の治療をするうえで決めた病院選びのポイントをご紹介します。
脳腫瘍の治療・手術数などの実績数を調べてみる。
全国の病院で行われている脳腫瘍の治療数や手術数などをランキングで表示しています。お住まいの都道府県ごとにも表示できます。
参考 日本の名医検索サイト専門医ナビ:全国の脳腫瘍の治療数・手術数ランキング(合計)
コチラも同様にありますので色々なサイトで見比べてください。
参考 病院口コミ検索サイトCaloo(カルー):全国の脳腫瘍の治療実績・手術件数
私はどちらのサイトでも県でランキング1位の病院へ行きました。最先端の医療に力を入れており、周囲からの評判もよい病院だと聞いていました。
夫が連絡してくれた際も凄く良心的で、すぐに主治医と面談してくれる手配もしてくれました。この時に電話対応してくれた方がとても親身に対応してくださいました。
私の脳腫瘍が発覚してアタフタしたり、泣きそうな夫を落ち着かせてくださったようです。当時の私はボーッと座ってるぐらいでしたから。
それでもランキングは自分で一応調べました。「MRIを受けたような病院だけは避けたい…」という信念で。
病院と医師を信頼できるかが一番大事。
数日後に脳腫瘍の実績数で県1位になった病院へ向かいました。のちに私の主治医になってくださる先生との面談がありました。
その先生はとても忙しい先生なのに、2時間ほど私の為に時間を作ってくださいました。MRI画像と診断書を見ながら私の脳腫瘍の説明をしてくれました。
ですが私は脳腫瘍で頭がぼんやりしています。言われても「う〜ん?」と難しい話を聞かされているようで、サッパリわからない状態です。
隣にいる夫も「おい!聞いてるの?」とちょいちょい訊ねてきましたが、8割がた理解できていなかったです。
ですが先生の優しい人柄だけは伝わってきました。
「大丈夫。女性だから髪で隠せるように手術しようね。両サイドから真上にかけてメスを入れて開頭しましょう」
…そのひと言でフッと気持ちがラクになったのを憶えています。
「この先生にお願いしたい」と。
最初の病院でMRIを撮った医師は私の顔も見ず「額も切らないと」と冷たく言われました。
何も言えず呆然としていたら「前髪垂らせばイイでしょ」とも答える始末でした。風が吹いたら傷が丸見えになるのに…。
なのでお医者さんによってこんなに違うのかと愕然としました。お陰で私の傷跡は美容院に行った際に「あ。ちょっと傷跡あるね」とわかる程度に残っています。
実際の病院を見て入院の手続きをしました。
主治医の先生と面談させていただき『こちらで治療したい!』と確信した私はその場で入院の手続きをする事にしました。
簡単な契約書などを書きましたが脳腫瘍の初期症状で字もヨロヨロ…。実際に入院するのは病室が空く数日後になりました。
時間は夕方を過ぎていたので外来時間が終わっていましたが、病院内を少し見渡すと落ち着いた病院内だとわかりました。
ロビーを見るとMRIを撮った病院のようにギュウギュウな待合室ではなく、ゆったりくつろげる椅子。スタッフさんもドタバタしていません。なんでこんなに違うんだろう…。
費やす時間と費用は大差ないかも知れません。でもその病院で過ごし、実際の治療、手術を受けるのは患者さんであり、家族であり、あなたです。
- 家から近い
- とりあえず大きい病院
- テレビで特集していた名医
- 知り合いが入院していたから
- 大学病院だから
…色んな選択理由はありますし、どれも間違っていないです。ひとりずつ価値観が違いますからね。
ただ、治療にうえで一番大事な最初の選択ですので慎重に決めて頂きたいです。
そして入院して治療方針や当事者との関係性がギクシャクし転院やトラブルの原因になったら元も子もないです。
脳腫瘍と診断されて焦り、急ぐ中での病院選びとなりますが、短い時間内でもしっかりと安心して身を預けられる医療機関を探すようにしましょう。
私のようにMRIなどの検査だけでイヤな気分になることもあるので、まずは病院に行って雰囲気だけでも確かめてみるのも良いかも知れませんね。
私は最初は病院の実績を重視しましたが、初めて先生にお会いした時の『人柄』を信じました。ぼんやりとした脳の中での直感でしたが。
現在も3ヶ月に1度の通院でお世話になっていますが、あの時の直感は間違っていなかったと強く感じています。