脳腫瘍の治療法はガンと一緒なの?手術?放射線治療?ガンマナイフって?

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診察室

脳腫瘍と診断されてまず治療の判断基準となるのは腫瘍の種類、大きさや腫瘍が発生している場所、進行スピード等です。それによって治療法が異なってきます。

代表的な原発性脳腫瘍の治療法についてご紹介します。

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神経膠腫(グリオーマ)の一般的な治療法

神経膠腫は正常な脳との境界がわかりにくい事から、ほとんどの場合、腫瘍すべてを取り去ることは困難です。

更にグレード3以上の神経膠腫は完全に取り除くのが難しいため、再発の予防に努める場合があります。その時は進行を遅らせる目的で術後に放射線療法や化学療法を追加します。

しかし、グレード3以上の神経膠腫では放射線療法の効果が十分に効かないようです。

その中で特殊な放射線療法の【粒子線治療(陽子線治療、重粒子線治療)=先進医療】を使っている病院もあります。この治療法は非常に高額になりますので、もし民間の医療保険の【先進医療】の特約に加入されている場合は給付されるのか確認された方が良いです。

全ての病気で言えますが治療の過程でどんな選択をしていくのか先がわかりません。患者本人もご家族も自由医療が選べる方が有利です。なので医療保険は本当に大事ですよ!

再発に対しては再手術による最大限摘出、化学療法や分子標的治療、免疫療法、放射線治療などを行います。

髄膜腫の一般的な治療法

髄膜腫は細胞の増大スピードが遅いので大きい腫瘍でない限り、急いで手術は行いません。腫瘍が小さく症状が無い場合は、年に1度などの外来でMRI検査の経過観察をします。その観察中に大きくなったり症状が出たら治療の検討がされます。

腫瘍が3cm以下の場合は手術をせずに、ガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線治療があります。

腫瘍が大きい場合と既に症状が出ている場合は摘出手術が基本です。腫瘍とその周辺の脳膜と頭蓋骨の一部を取り除いて手術を行います。その際に血管や神経も注意深く避けながら腫瘍を取り去る手術になります。

私の腫瘍は約7cmの大きさで症状も既に出ていたので摘出手術をしました。手術時間は11時間近くでした。簡単に書くと…

私の入院期間
  1. 1泊2日の検査入院
  2. そのまま入院(リハビリ含む。約10日)
  3. 手術(約11時間)
  4. リハビリをしながら10日後に退院

…です。退院まで23日です。手術の結果が相当よかったので退院までが通常より早かったです。あまりに早くて家族も看護師さんも衝撃受けてました。

脳腫瘍(良性の髄膜腫)の摘出手術!はじめての手術室はどんな感じ?
脳腫瘍の摘出手術をする前に再度、主治医とも治療法や今後の方針を聞いておきましょう。「どこまで摘出できるのか?麻痺は残るのか?」手術中には思わぬ事態が発生する場合もあります。「輸血をするのか?しないのか?」そういった事も決めましょう。

▲そして私の人生初の手術はこんな感じでした。淡々と進み過ぎてアタフタしちゃう。

腫瘍の場所と悪性度によっては放射線療法が選択されます。抗がん剤の効果は低いと考えられています。

髄膜腫は基本的に良性腫瘍ですから手術で全部取ってしまえば、それで治療は終了です。半年〜1年ずつCT検査またはMRI検査を行いますが、ほかの腫瘍のように放射線治療や化学療法などは通常は行いません。

ガンマナイフとは?

ガンマナイフは開頭手術をしなくても脳内の病変に治療・コントロールができる治療法です。ガンマ線は細いビームなので、周囲の正常な細胞にはほとんど影響を与えず、まるでナイフで切り取られたかのように治療できるので、ガンマナイフと名がつきました。

サイーバナイフとは?

サイバーナイフは切らずに治療ができる定位放射線治療装置です。ガンマナイフなどに比べて緩やかな固定で済み、麻酔も必要ありません。治療時間は通常30分~1時間程度で通院の治療が可能です。病状によっては入院する場合もあります。

下垂体腫瘍

下垂体腫瘍は前述した【脳腫瘍の代表的な原発性脳腫瘍の種類】のうちの1つです。

脳腫瘍の代表的な3つの原発性脳腫瘍の解説
脳腫瘍の代表的な3つの『原発性脳腫瘍』について発症場所のイラストと共にご説明しています。【神経膠腫(グリオーマ)】・【髄膜腫】・【下垂体腫瘍】の発生場所と発生率です。私はその中の髄膜腫を発症しました。

▲詳しくはコチラをご覧下さい。

ホルモン非産生腫瘍(ホルモンを多く作らず細胞が腫瘍化したもの)

特に症状がなければ手術しません。ですが血液検査の結果、下垂体の機能が低下してホルモンの値が正常ではない場合は、不足分をホルモンの薬で補充します。

腫瘍が大きくなった場合は手術も考えます。この腫瘍に対して薬で腫瘍を小さくする方法はありません。放射線治療が必要な場合もあります。

ホルモン産生腫瘍(ホルモンを通常よりもたくさん出すもの)

プロラクチン産生腫瘍は飲み薬の治療が基本です。手術を行うのは腫瘍が小さく手術で取り除くことが可能と思われる場合、飲み薬が効かない場合、飲み薬で吐き気などを起こし飲めない場合の患者さんに行われます。

成長ホルモン産生腫瘍の治療は摘出手術が基本です。その後は成長ホルモンの値が十分下がらない時に放射線治療、飲み薬、注射による治療が行われます。