がん光免疫療法は脳腫瘍にも使える?国内の治験開始で期待が膨らむ

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光免疫療法

先日テレビをふと見ていたら『成功の遺伝史』という番組が流れていました。その中で米国立保健研究所(NIH)の小林久隆さんという研究者の方が出演されていました。

ちなみに番組内で小林さんが影響受けた人物は『X JAPAN』のYOSHIKIさんでした。1992年にニューヨークで会見を開くYOSHIKIさんをテレビで見て1995年に渡米したと…。

小林さんは光免疫療法という『がん治療法』を研究されていて、世界でも注目されている方だそうです。今回はじめて知った治療法なのですが簡単に言うと…

 

 

点滴→光を照射→『がん細胞だけ』が死滅!

 

 

あまりにも衝撃が強すぎてポカ〜ンとテレビを見てしまいました。テレビで見た内容の光免疫療法の工程は…

 

  • 1日目:特殊な青い薬の点滴を2時間うける
  • 2日目:5~10分間、光を当てる。がん細胞だけ破裂して死ぬ。

 

…以上です。たったコレだけ?ひたすらビックリしました。

通院可能な範囲ですよね?昔は『死の病』とまで言われたがん治療なのでしょうか。医学の進歩って思っていた以上にスゴイかも。2020年の実用化に向けて治験がはじまったそうです。

果たして脳腫瘍にもこの『光免疫療法』は使えるのでしょうか?過去の記事などを元に調べてみました。

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がん光免疫療法とは?どんな光を使っているの?体に無害なの?

『光免疫療法』とはどんな治療法なのでしょう?

▲小林主任研究員ご自身が詳しく解説された動画がありました。現在は抗体(がん細胞)の分析が進み、8〜9割のがんには適応できているそうです。

実験や臨床段階では『頭頸部がん、上皮がん、大腸がん、膵臓がん、皮膚がん、乳がん、前立腺がん、B型リンパ腫など』に有効なようです。

ただし、骨にまで浸潤している癌には効果は発揮できないそうです。では光の害はどうなのでしょう?記事があったのでご紹介します。

がん細胞表面のたんぱく質に結びつく「抗体」に、近赤外光によって反応を起こす化学物質を付着させ、患者に注射。

患部に近赤外光を当てると化学物質が反応し、がん細胞の細胞膜を傷つけて死滅させる。

近赤外光はテレビのリモコンに使われ、人体には無害。

がん細胞だけを狙って攻撃できるため副作用が少なく、手術や抗がん剤などで治らない進行がん患者の新たな治療の選択肢として注目されている。

参考毎日新聞『光免疫療法:近赤外線で治療がんセンター3月から治験へ

『抗体(がん細胞)』に付着させるのが青い液体です。この液体が光と反応する役目をします。これを1日目に2時間ほど掛けて点滴するようです。

そして2日目にテレビリモコンにも使われる光を照射。すると…がん細胞は死滅。

光免疫療法 図

画像参照 Mugendai(無限大)『近赤外線でがん細胞が1日で消滅、転移したがんも治す』

 

魔法のような不思議な話…。

 

既に実用化に向けて動いています。国内では今年(2018年)の3月にがん患者を対象とした治験がはじまります。

3月から『がん光免疫療法』の治験がはじまります

がん光免疫療法は実用化に向けて動き出しています。今月から国内でも治験がはじまります。

3月から光をあててがん細胞を破壊し、がん免疫療法の安全性を患者で確かめる臨床試験(治験)が千葉県柏市の病院で始まるそうです。

治験では手術や放射線、抗がん剤で治らずに再発した頭頸部(とうけいぶ)がんの患者を対象に安全性などを確認するとのこと。

米国では2015年に治験が始まり、これまでに15人中14人はがんが縮小。14人のうち7人はがんが消えたという。

参考 朝日新聞『がん光免疫療法、国内で治験へ 米ベンチャーが3月から』

ちなみに残りの1人は悪化していないそうです。こんな短期間で、がんが縮小又は消えるとは、本当に夢のような治療法に思えます。

光免疫療法に楽天の三木谷会長兼社長も支援

2017年春には楽天の三木谷代表取締役会長兼社長が『光免疫療法』の商業化を目指す米企業に出資することも明らかにしました。

楽天の三木谷さんは2012年、お父さんが膵臓がんに冒された時に治療法を探していて小林さんに出逢ったそうです。残念ながらお父さんは2013年にお亡くなりになりました…。

最初は三木谷さんは光で癌を消すという話に「うさん臭い」と感じたそうですが、新しい手法の確立に支援を決めたそうです。

参考 朝日新聞『がん治療、不可能を可能に 三木谷氏、光免疫療法を支援』

楽天という大手企業が加わったことは、とても喜ばしいことだと思います。

そしてご家族が辛い体験もされている三木谷さんなら、承認薬に向けて早急な行動をしてくれると期待しています。

光免疫療法は脳腫瘍にも使える?

小林久隆さんは2016年11月のデジタルメディアの取材に光免疫療法について脳腫瘍にも触れていました。

以下は抜粋ですが引用させて頂きます。

まだ実験中ですが、脳腫瘍についてはドイツのフライブルク大学、ケルン大学と共同研究しています。

脳の手術では体の機能を失ったり、人格が変わってしまったりしないように正常な脳神経を残さねばならず、がん細胞と正常細胞が混ざった部分を完全に取り除くことはできません。

この治療はこうしたケースで、取り切れなかったがん細胞の除去に最も良く応用できると考えています。

脳腫瘍もすい臓がんも、手術した個所はがん細胞が露出しているため近赤外線の照射で取り残したがん細胞の処理をしやすく、外科の先生たちが積極的に臨床応用へと研究を進めてくれています。

参考 Mugendai(無限大)『近赤外線でがん細胞が1日で消滅、転移したがんも治す』

2016年11月の記事ですので、2018年3月現在はもっと研究は進んでいるかも知れません。

ただ、記事にもあるように脳は複雑な体の機能を備えているため、通常のがん治療のように簡単には進まないようです。

光免疫療法で取り除いてから外科手術で丁寧に除去する方法が安全みたいですね。現在行われている治験や今後の研究に期待しています。

より安心して手術や治療の選択ができることは、私たち患者にとっては嬉しいことだと思います。

もし光免疫療法が医療に参入したら…

 

 

格段に入院日数と医療費は減るでしょう。

 

 

今回、偶然テレビを見て知りましたが、地道に研究されている方々がいらっしゃる事に敬服します…。2020年には実用化しているとイイなぁ。