脳神経外科の先生に脳腫瘍(良性の髄膜腫)を全摘出手術して貰ったのですが、手術途中の病理組織検査の結果を見るまでは悪性の場合もあるかも…という状態でした。
私は当初、MRIの画像で悪性の可能性を指摘されていました。手術するまではハッキリ判らない段階でした。
きっと私よりも周りの家族のほうがハラハラ&ドキドキしていたと思います。
尚、治療法には腫瘍の大きさや進行速度によっていろいろあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事 脳腫瘍の治療法はガンと一緒なの?手術?放射線治療?ガンマナイフって?
小さい腫瘍や再発の場合はガンマナイフで済むかも知れませんね。
脳腫瘍の手術前に主治医の先生としっかり話し合いましょう!
不安な脳腫瘍の手術前に執刀医の先生と何回か話し合いをする機会がある筈です。親族を交えたりする事もあるでしょう。
その時は遠慮せずに思った事を訊きましょう。命に関わる大手術だからこそ、先生との話し合いは大切です。
私の脳神経外科の先生は「もし悪性の腫瘍で取り除くのが難しかったら、そのまま手術を中断します」と言ってくれました。
私の脳腫瘍は約6.8cmの巨大な反面、私自身の体が小さく脳の出血が多いと命の危険に晒されるため、先生も無理に手術を押し進める方が危ないと思ったようです。苦渋の判断でした。
手術による大量出血の場合は輸血もするか?私の場合は350ml以上の出血だと危険だと言われました。輸血してショック状態に陥る危険性も説明されました。
あえて辛い現実や質問もしておきましょう。
そして先生からはMRI画像を見ると脳と腫瘍の境が曖昧だから悪性の可能性があると。
良性で全摘出しても腫瘍が大きいから麻痺が残ったり、健康な元の状態に100%戻れるかわからない…という言葉にショックを受けました。
病院としては簡単に「はいはい、大丈夫。治るから」なんて無責任に言えませんからね。私もあえてそこは知りたかったので、自分で突っ込んで訊ねました。
夫は「何でオブラートに包んで話してくれないんだよ〜」と帰ってきた病室で愚痴ってましたが、逆にうやむやな方が後で「話が違う!」となるので、ハッキリ言われた方が良かったです。
病院側も何枚もの書類や重要な説明書を渡して、署名と捺印を求めてきます。それを見ているうちに「あぁ…もしかしたら本当に手術中に命を落とすかもしれないんだな」と思いました。
いよいよ脳腫瘍摘出手術!家族とのお別れ…。
当日の朝ご飯から絶食して9時半から脳腫瘍の摘出手術の予定時間でした。家族全員が病室に揃ってソワソワしてしました。
看護師さんが迎えに来るのを待っていたら、唐突に「手術後に戻って来る病室が変わるから荷物をまとめ下さい」との連絡が!
手術前の名残惜しそうなムードを破壊しながら荷物をまとめてる最中に看護師さんが現れ、私は車椅子に乗せられました。まだ病室の荷物は残ったまま…。夫と家族に託しました。
ドタバタしたまま手術室前まで家族と私は専用のエレベーターで移動。なぜかドラマのような手術間際の感動シーンは無かったです。少し期待していたのですが…。
看護師さん:「担当の◯◯です。◯◯さんで間違いないですか?では、こちらです」
私:「よろしくお願いします」
家族:「あ…ああーーー!?」
背中越しに聞こえる家族の声が虚しかったです。
初めて入る手術室は超スピーディーでテキパキすぎる!
車椅子で手術室に入りましたが、ドラマで見るような広く冷たく殺風景な手術室では無く、とても狭く実用的な手術室でした。色々な機材が詰まっていて、すぐに手が届くところにあるように見えました。
体は動けるので自力で手術台に上がりました。その時の格好は、手術の時にボタンで開けられるタイプの下着を着用して下さいと言われたので、それを着て更に病院着を着ていました。
あとは前日に看護師さんから渡された医療用の着圧ソックス。コチラの商品に似ています。
ずっと寝たままの体勢になるので、脚の浮腫予防の為らしいです。飛行機のエコノミー症候群の予防にもなるそうです。ギュ〜とキツいですが心地良いです。
手術台の上に横になると、手際よく手術室の看護師さん達に身包みを剥がされ、あっという間の一連の流れに恥ずかしさもありませんでした。
見上げると脳神経外科のいつもの担当の先生がいて安心しました。
既に全身麻酔のマスクも口にあてられた状態でしたが「大丈夫?」みたいな会話のやりとりをして、すぅ…っと意識が遠のく感覚で記憶が消えました。
そのまま私は快適な全身麻酔の状態でグースカ寝る訳ですが…。もちろん手術中の記憶と意識はないです。
▼全身麻酔の記事はコチラからどうぞ。
手術室に入ってから全身麻酔のマスクを装着するまでの時間まで、おおよそですが3分にも満たないと思います。
輸血をする?輸血しない?それも患者さんが決めることです。
そして手術前の説明では摘出手術も約8〜9時間の予定でしたが、大幅に延びて11時間近くになってしまいました。
細かい血管付近に腫瘍がこびり付いていたらしいです。先生は最小限の出血の中で丁寧に丁寧に私の脳腫瘍を取ってくれました。
お陰で1滴の輸血もせずに、そして脳の血管を傷付けることも無く、脳腫瘍を全摘出して頂けました。
私は拒絶反応が怖いので、大量出血したら輸血をお願いしましたが、病院によっては自己血輸血という対応もあります。用意するのも自分の血ですし、輸血したり採取するのもその病院になります。
長所短所もありますので、詳しくは下記のサイトをご覧ください。※外部リンクに飛びます※
そして脳腫瘍の手術後の頭からはドレーンと呼ばれる管が出ています。これは脳室の髄液や排液を排出している管らしいので、最初は「何でこんなのが飛び出てるの!」と驚くと思います。
▼コチラにドレーンに関する処置などの記事があります。
手術後のガーゼに被さった先から飛び出たドレーンの管を見た状態に、夫がまず仰天していました。血液が混じった鮮やかな鮮血から透明な排液になれば良好な状態のようです。