脳腫瘍の摘出手術から2年が経ちました。意外と早いものだな〜と感じます。その間に『てんかん』が起きたので車の運転もできなくなり、必然的に行動範囲も狭くなりました。
この2年間は社会と一線を引かれたような日々だったように思います。
専業主婦であり病人であり…。そんな二重の肩書きなので余計に。今の時期は『てんかん』を起こさないように寒い気温での外出は控えています。
私はこの2年間で脳腫瘍と診断される前の健康な体とは違う微妙な変化があります。MRI画像を撮っても異常は無いんですけどね。
では、どのような変化が私の頭や体で起きたのか少し書き残しておきます。大きく分けて私は数字と記憶力と方向感覚です。
足す引く程度の簡単な計算ができない
小学校低学年程度の簡単な算数ができなくなりました。レジで細かい小銭の計算も「う〜ん」と悩むようになりました。
消費税が8%だから余計に大変
「この小銭を渡せばレジの店員さんは助かるよな〜」などと裏を読んでチンプンカンプンな50円玉を出したり…。
リハビリでやったような『100から7を引いて答え続けて』というような問題も腫瘍を取った現在も苦手なままです。
ちなみに前職は受付でお金を扱う職業をしていたので、ここまで計算ができないことがショックでした。
物を数えるのが極端に苦手になった
目の前にある物や複数の物、動いている物を数えるのが極端に苦手になりました。
『1、2、3…』と数えているうちに頭の中がパニックになるような気がするので、区切りのよい数で止めるようにしました。
例えば24個の物があったとしたら、以前は1〜24まで一気に数えられたのも10個単位で区切って数えています。
そうしないと「あれ?いま…何個だっけ?」と途中で個数が分からなくなるからです。覚えられないのも原因だと思います。
動いている物体なんて更に無理です。
あっちも数えたか、こっちも数えたか…それすらも覚えていない…。
たまにテレビ番組で脳トレや動体視力を鍛えるコーナーで、動いているボールのかずを数える映像があったりしますが
アタフタして自分すら見失う状態…。
こうなるとストレスと感じるので鍛えることから逃げるようになりました。ゆる〜く自分が心地よいと思える脳トレをしています。
私の場合はアプリを使っています。アプリなら自分のタイミングでできますし、好きなものを選べるのでご紹介します。
たとえばAndroid用アプリ【みんなの脳トレ〜脳年齢がわかる脳トレ、脳の若返りドリル〜
】もその1つです。
★観察力★ 1から25までの数字を順番にタップ
★記憶力★ 0から9までの数字の記憶揃え
★判断力★ パネルに表示される「文字の色」を答える
★直感力★ 指定された秒数を頭で計測してタップ
★計算力★ 小学生レベルの計算問題
★反応力★ じゃんけんで勝ち、負け、あいこをお題通りに出す対応OS:Android3.0以上
Brain Training Day~brain power - Apps on Google PlayFind out your brain age in 6 games. It just only 30 sec per games.
1つのゲームにつき30秒ぐらいで終わります。連続で答える『総合テスト』もあります。脳活、脳年齢、認知症を鍛えるにも使えます。私は病院の待ち時間にポチポチとやっています。
麻痺がある方や書くことにも集中したい方はアプリでは無く、冊子で取り組まれた方が効果的に感じます。
方角がわからない!方向音痴が更にひどくなった
私は小さい頃から方向音痴でした。発病前もGoogleマップで目的地に案内されて辿り着くのも日常茶飯事でした。それでも何回か案内されれば、さすがに覚えました。
でも腫瘍を取った現在もGoogleマップにお世話になりっぱなしです。
道順をまったく覚えられない!
引越して現在3年経ちますが、未だに地元の道を覚えていません。こっちの道で家に帰れると思って直進したら全然違う景色…。その方向感覚もおかしい。
自分の街なのにGoogleマップ起動させてキョロキョロ見渡す不審者です。もうちょいで自分の家なのにココは何処?
手術前に独り暮らししていた頃の道順は明確に覚えています。道順、街並、景色。どれも鮮明に憶えています。
でも手術後の道順、街並、景色…記憶に残りません。
厳密に言うと手術後でも思い出のある場所は覚えています。『脳裏に焼き付く』と言うとは本当ですね。手術後に行った旅行はハッキリ憶えています。綺麗な海も久しぶりに会った親戚の顔も…。
その時は『絶対に忘れたくない』という強い想いが影響しているかも知れません。「楽しかったな〜。また会いたいな」と思い出したり懐かしんだりしますからね。
でも、な〜んにも興味も無く印象にも残らないと消えるだけで、私の場合スコーンと頭にも入らないようです。
何が何でも道順を覚えようとすると気疲れするので諦めました。Googleマップに頼りつつスマホの電源切れにだけは注意しています。
地図の見方や平面図がわからない
肝心のGoogleマップは進行方向に合わせて音声で案内してくれるので助かるのですが、本などの平面の地図ですとサッパリ理解できない時があります。
えっと、目的地がココで現在地がココだから…。で、何処へ進めばイイの?
と、初めての病院や駅でウロウロと彷徨う時もあります。よく案内板ってありますよね。あれ見て立ち尽くしちゃうんです。
結局わからないので、天井から吊り下げられている案内板を目印に突き進むのみです。
原因はなに?脳腫瘍の後遺症なのか…薬の副作用なのか?
退院後にこのモヤモヤな変化を3ヶ月に一度の診察の時に少しだけ先生に伝えました。この変化の原因は一概に後遺症とも言い切れず、現在飲んでいる薬の副作用もあるかも…とのお話でした。
▼私の場合は脳腫瘍の摘出手術後に『てんかん』発作も起こしています。その影響も少しあるかも知れません。
▼薬の副作用としては眠くなったり頭がボーッとしたり、記憶力の低下などがあります。
それが道順が覚えられない事にも繋がっているとしたら、いま飲んでいる薬が関わっているようにも思えますし。…だとしたら日常生活に支障で出るレベルかも。
でも飲まないと私は『てんかん』が起きる危険性があるので欠かせません。いきなりバタッと倒れる方が怖すぎますからね。
脳腫瘍で頭開手術をして、今もほぼ健康に過ごしている私は…
それなりのリスクが伴うのかな
と実感しました。全くリスクゼロの場合もあるでしょう。逆を言えばこの程度のリスクで幸せに感じることもあります。半身麻痺が残るかも…と言われたぐらいですから。
今はこの程度で済んでいます『老いが進んだらどうなるんだろう』という見えない恐怖がジワジワと背後から忍び寄っています。
そんな不安を感じつつ『根本的な原因としては記憶力が回復したら、どうにかなるんじゃないのか?』という安易な気持ちを抱いています。…能天気ですね。
自分で進行させないためにも脳と体を鍛える努力をしていこうと考えています。